2015.5.24 AYAKO NOMOTO
ミュンヘンーパリー東京の3カ所で、「糸」を共同テーマとした初の展示。 エスパスは展示会毎に凝った装丁のブックがもらえるのもあっていつもチェックしているギャラリー。
普段はなかなか行かないLOUIS VUITTONの上にあり、そこに行くというのもちょっとテンションあがります。気持ち綺麗めな格好の時にいきます。
こちらはガーダ・アメールの刺繍をベースとした作品。 カラフルな糸がなんの模様かもわかならいほどキャンパスいっぱいに絡み合っている。でもよく見ると、女性の裸体がたくさん。 「女性の家庭的な分け隔てを突き詰め強調するとともにその境界を曖昧にした」作品。 1筋縄ではいかない女性の心情や環境が糸によって描かれていてとても好きでした。
そして、このハンス・オブ・デ・ペークの映像作品。 こんなにドキドキする映像作品を観たのは初めて…
日本の伝統文楽を参考にして作られていて、人形遣いが男女の人形をあやつり、悲劇的な恋愛を描いた作品なんだけど、まず人形遣いが顔を塗るシーンから始まることで、人形を操る人間も登場人物として印象を受けるところや、寂しげで儚げな音楽、重々しい照明、すべてが運命的な男女の愛の行く末を現していて、また、鑑賞者も同じ空間にいるような錯覚になりドキドキしっぱなし。
「時間や場所、状況に関わらず出逢う運命にある2人を繋ぐ見えない糸がある」とは中国の諺だそう。
引っ張っても絡んでも決して切れない赤い糸。自分の小指の先には?と、想像を広げずにはいられない展示でした。
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